貴方が遠いわ
そう 線路の向こう
同じホームにはいない
快速の電車に乗って
もっと遠くへ行ってしまう
行き先はどこかしら
私の乗ろうとしている
鈍行の電車とは
きっと別の場所
目が合えば
貴方は微笑んでくれる
でも声は聴こえない
私も笑顔を見せる
でも声をかけられない
貴方は向こうを向いてしまう
届かないわ
ここからじゃあ
呼んだら
振り向いてくれるかしら
でも駅の騒音が
私の声をかき消すでしょう
けど
このまま
サヨナラは嫌だから
私は階段を駆け上がり
ホームとホームの
連絡通路を走って
貴方のところへ
駆け降りた階段
そこには電車が滑り込んで
貴方は乗り込んでいく
私は貴方を呼ぶの
大きな声で呼ぶの
周りのお客さんが
目を見開いている
そんなの気にしないわ
貴方は振り向くと
驚いた顔をする
私は乗り込むの
貴方と同じ電車に
そこで私は
貴方に告げるの
一緒にいきたい、って
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